瀬戸市上品野の稲荷神社はメチャクチャいい

 愛知県瀬戸市上品野にある稲荷神社(地図)はメチャメチャいい神社だ。
 個人的な感覚でしかないのだけど、ここはもう良い神社と断定してしまう。
 境内の空気がよくて、佇まいがいい。古社臭さもある。
 地域の人でも何でもない神社と思っているかもしれないけど、延喜式内社もしくはそれに準じる神社ではないかと私は考えている。
 どう見ても普通の稲荷社なんかじゃない。

 歴史その他、この神社に対する思いは名古屋神社ガイド稲荷神社(上品野)にしっかり書いたので、よかった読んでみてください。


 入り口鳥居をくぐって民家の間を進むと一段高くなっている場所に出る。
 この時点ではまだどんな神社か見当がつかなかったのだけど、入り口鳥居の立派さにはわりと驚いた。
 ここってホントに稲荷社なのかなとも思った。


 広場の右手に何かの石碑が建っていて周囲を囲っている。
 雰囲気は陵とか古墳とかの感じがした。
 その感覚は間違っていないかもしれない。


 広場を進むと正面に階段が見えた。
 当然ここを登っていくものだと思う。
 しかし、侵入者を拒むようにバリケードが置かれている。
 あれ? もしかして廃社なのか? と思った。
 それでもここまで来てここで引き返す選択肢はなく、バリケードを跨いで階段を登っていった。


 少し進むと思いがけず立派な建物が見えて驚く。
 うわっ、なんだここはと。
 すげえ立派じゃん、と心の中でつぶやいた。
 言葉遣いも乱れがちだ。
 しかしここは裏手で、どうやら入り口を間違えたようだった。
 だからバリケードが置いてあったのか。


 境内を通っていったん外に出て、あらためて正規の入り口鳥居をくぐって入り直した。
 石造の明神鳥居に木製の脚がついた両部鳥居になっている。
 神仏習合の名残だろう。
 しかし、まったく稲荷社らしさがない。
 朱塗り感はゼロだ。


 三の鳥居まである。
 この頃までにはこの神社がただ者ではないことを強く感じるようになっていた。
 ここなんかすごいなと思って笑えてきた。
 良すぎて笑える神社というのは初めてだ。


 賽銭はどこでも10円か5円と決めているのだけど、ここ10円のところじゃないだろと、財布から100円玉を取り出してそっと入れた。


 

 写真を見るだけではこの神社の良さやすごみは分からないと思う。
 自分でも実はよく分かっていない。
 良いのは分かるけど、なんでそう感じるのかを説明できない。
 感覚的に良いと分かるだけだ。
 ただしそれは思うのではなく分かる。
 思うと分かるは違う。


 小さな祠もちゃんとしている。
 ミニサイズ祠はちょっと珍しい。


 多くの境内社も祀られている。
 江戸時代には上品野の氏神になっていたのだけど、もともとは稲荷ではなかっただろうと思う。
 祭神が豊受姫命(トヨウケヒメ)なのもそれを示している。
 豊受といえば伊勢の神宮外宮の神として知られているけど、尾張にも三河にもゆかりの深い神だ。
 天照大神が隠れているか、どこか近くに対になる神社があったかもしれない。


 お近くの方はぜひ一度足を運んで自分の感覚で確かめてみてください。
 別に何でもないなと感じるか、おっ、すごいねと思うか。
 人と神社にも相性があって、波長が合うところと合わないところがある。
 有名無名を問わず、自分の感覚を信じればいいと思う。

【アクセス】
名鉄バス「中町」より徒歩約3分

【駐車場】
あり


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