言葉– category –
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善良さが勝る
善良は有能に勝る。 想像してみてほしい。 穏やかで温かくて優しい世の中が実現したとしたらと。 そこに必要なのは優秀な人間よりも善良な人間だろう。 天国とはつまりそういうとことであり、天国に入れてもらうのに必要なのはそういうものなのだ... -
思い出というおみやげ
思い出はいいものだ。 年を取るといいことなどほとんどないけど、思い出は少し年を取らないとそのよさが分からない。 もし死んだ後に続きがあるのなら、思い出はいい土産になる。 -
継ぎ目
季節に継ぎ目はなくて、終わりと始まりは重なっている。 夏の終わりは秋の始まりだし、冬の終わりが春の始まりであるように。 生と死にも似たようなことがいえるかもしれない。 生と死に断絶はなく、連続している。 生きている人間はすべて死にかけ... -
願望の先
人は漠然とした願望で自分を支えている。 欲望と呼べるほど強い意志ではなく、目標といったものでもない、ぼんやりした心の形だ。 叶えるための努力をするわけでもなく、ただなんとなく思っている。 そのこと自体が悪いわけではないけれど、そんな願... -
待つことなく待つ
ただ死を待っている。 望みはしないし自分から追いかけたりもしないけど、逃げたり避けたりもしない。 そのときが来たら、ただ受け入れるだけだ。 いつでも心構えだけはしておかないといけない。 -
終わりの始まり
夏は始まった瞬間から終わりの予感を孕んでいる。 そして、どこか死の匂いがする。 生きものにとって夏は始まりではなく終わりの季節といえるかもしれない。 終わりの始まりから終わりの終わりへ。 すべての生は例外なく死を約束されている。