言葉– category –
-
継ぎ目
季節に継ぎ目はなくて、終わりと始まりは重なっている。 夏の終わりは秋の始まりだし、冬の終わりが春の始まりであるように。 生と死にも似たようなことがいえるかもしれない。 生と死に断絶はなく、連続している。 生きている人間はすべて死にかけ... -
願望の先
人は漠然とした願望で自分を支えている。 欲望と呼べるほど強い意志ではなく、目標といったものでもない、ぼんやりした心の形だ。 叶えるための努力をするわけでもなく、ただなんとなく思っている。 そのこと自体が悪いわけではないけれど、そんな願... -
待つことなく待つ
ただ死を待っている。 望みはしないし自分から追いかけたりもしないけど、逃げたり避けたりもしない。 そのときが来たら、ただ受け入れるだけだ。 いつでも心構えだけはしておかないといけない。 -
終わりの始まり
夏は始まった瞬間から終わりの予感を孕んでいる。 そして、どこか死の匂いがする。 生きものにとって夏は始まりではなく終わりの季節といえるかもしれない。 終わりの始まりから終わりの終わりへ。 すべての生は例外なく死を約束されている。 -
物語の始まりと終わり
物語は気づいたときには始まっていて、気づく前に終わっている。 始まりと終わりを知るのは後になってからだ。 今こうしているときも、すでに何かが始まっているかもしれないし終わっているかもしれない。 -
過ちの後
失敗や間違いは誰でもする。 だから無条件で許すべきという話にはならない。 問題は過ちの後だ。 そこでどういう態度を取るかに人間性が表れるし、真価が問われる。 平謝りに謝って反省の態度を示せばいいというわけではない。 間違いは間違いと潔...