水平と垂直が気になるもうひとつの定点観測

 カメラの構えグセは誰にでもあるのかもしれない。
 私の場合、写真が右下がりになっていることが多いので意識して平行に構えようとするものの、それでもやっぱり右下がりになったり逆に左下がりになったりする。
 仕方なくRAW現像のときに傾き補正をするのだけど、どの線に合わせればいいのか迷うことが少なくない。
 それで気づくのは、この世界って水平でも垂直でもないんだなということだ。

 このもうひとつの定点観測は、中心にある遠くの高層ビル群に合わせるのだけど、そうすると手前のマンションの垂直が傾くことになる。
 逆に手前のマンションを水平にしようとすると全体が傾いておかしなことになる。
 マンションって、垂直でも水平でもないのだろうか。
 それともレンズの歪みで傾いているように写るだけなのか。

 そもそも水平って何だろうと考えると分からなくなる。
 地球は丸くて回転しているのに、どこを基準に水平としているのだろう。
 垂直ともなると、これはもうあきらめるしかないというか、垂直なんてたまたまそうなる以外にないのではないかと思ったりもする。
 その土地の地面に対して水平、垂直というのであれば、それが一応の基準ということになるのだろうか。
 それでも、地面は沈下したり隆起したりするわけで、永遠の水平などはあり得ない。
 築年数が建てば欠陥住宅でなくても多少は傾いたり歪んだりする。
 田舎の古い日本家屋などは、垂直や水平が波打ってぐちゃぐちゃになっていたりもする。

 カメラの話に戻ると、水平・垂直メーターがついているからそれに合わせて撮るのだけど、それも自分の建っている場所や自分の姿勢次第ということもあって、あまり当てにならない。
 結局、写真は十中八九、傾いて写っている。
 そうして、せっせと一枚ずつ傾き補正をしている私なのだった。
 皆もそうなんだろうか。











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