
去年2025年冬ドラマの中の一本に、『ザ・ロイヤルファミリー』(公式サイト)があった。
私は勝手に、貴族か何か金持ち連中がモメる話だろうと思い込んで観ないでいた。そんなイザコザをドラマで見せられてもちっとも楽しくない。
ただ、ネット記事で評判がいいというは読んで知っていた。どうやら競馬の話らしいというところもまでは把握した。
しかし、TVer(公式サイト)で追いかけるには手遅れで、まあいいやとそのままにしていた。
年が明けて2026年。新年のAmazonセールでU-NEXTの30日ギフトコードが30パーセントオフになっていたとき、これを買った(通常2,189円が1,751円に)。
主な目的はNHKオンデマンドで観たい作品がいくつかあったためだった。ポイントが1,200円分ついてき、それでNHKパック(980円)を買うことができる。
そのNHKパックではないのだけど、U-NEXTのラインナップの中に『ザ・ロイヤルファミリー』があっったので、それなら観てみようということになって、とりあえず第1話を観てみた。このときはさほど期待していなかった。
あれ? 思ってたのと全然違う。
それは競馬そのものを題材にしたものではなく、競馬界を舞台にした人間ドラマがそこでは描かれていた。
もしかしてすごく面白いかもと思ったのは2話だったか、3話だったか。
気づいたら栗須さんと一緒に毎話、泣いていた。
ドラマで泣くなんて何十年ぶりとかじゃないだろうか。
実話を元にしたドラマ化かと思って調べて腑に落ちた。
原作は早見和真と知ってなるほどと思った。
なんとなく『アルプス席の母』を思い出すなと思ったらそれはそうだ、同じ作者なのだから。
『アルプス席の母』はオーディブルで朗読を聴いてかなりぐっとくる作品だった。まだ映像化されていないようだけど、ちゃんと映画かドラマにすれば必ずいい作品になるはずだ。
『イノセント・デイズ』はオーディブルで聴いたときは嫌な作品だと思った。あれは好きじゃない。
ドラマはたぶん観ていないと思う。観ていたとしたら印象に残っていない。
ドラマ『95』はU-NEXTだったか、AmazonPrimeだったかでなんとなく観て、思いがけず面白かった。後から原作が早見和真と知って、納得しつつ少し意外でもあった。
『ザ・ロイヤルファミリー』はオーディブルでも聴いていないし、それ以前にまったく知らなかった。
まだ観ていない人はぜひ観て欲しい作品だ。
近年まれに見る傑作といっていい。
もちろん、人によって好き嫌いはあるし、レビューを読んでもハマらなかった人もいたようなのだけど、それでも概ね好評だったように思う。
今はNetflixでも観られるようになったので、これだけ観るならNetflixの方が安い(広告ありプランで月額890円)。
タイトルが示すように、チームとしてのファミリーの話であり、後半に語られる”継承”も一つ重要なテーマとなっている。
親から子への世代交代というだけなく、サラブレッドは継承の象徴のような存在で、それに関わる人たちもまた、その一員として連なっている。
馬主、馬の生産者、牧場主、調教師、馬の世話係、ジョッキーなども皆そうだ。ドラマでは競馬記者も存在感を示していた。
ぞれぞれに家族がいて、仕事や生活がある。
そしてもちろん、ファンあってこその競馬だ。賭ける人間がいなければ競馬は成り立たず、走れないサラブレッドは生きる術を持たない。
私のように食わず嫌いならぬ観ず嫌いで敬遠した人にこそ、オススメしたい。
1話はTVerで無料で観られるので、とりあえず1話だけでも。
それで合わなければ合わないかもしれないけど、もし相性が良ければ最高のドラマ体験が待っている。
私としては毎週待つよりも自分のペースで一気に観られてかえってよかった。待つ一週間は意外に長いし、間延びする。
何年かに一度、あるいは何十年に一度、こういうドラマに当たるから、ドラマを観続けたいと思う。
作中でいくつか印象的なセリフがあり、その中で一番心に残ったものがある。
勝つことでしか報われない時間がある
とにかく勝つこと。勝ちたいんだという言葉がドラマの中で何度も出てくる。
勝つことが正義とされた時代は過ぎ去り、大事なのは勝ち負けじゃないといったぬるい思想が蔓延する今の時代だからこそ、我々はもう一度、勝つということの大事さを思い出すべきではないか。
そんなことも、このドラマは突きつけてくる。
何をもって勝ちとするかはそれぞれが決めることだ。
そこへ向かって努力を惜しまず実現したとき、費やしたすべての時間は報われる。

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