AIが歌い出した

 何日か前、いつものようのYouTubeを見回っていたとき、たまたま下の動画(一番上のやつ)に当たって何気なく見て(聴いて)みたら驚いた。
 これってホントにAIなの? と。
 それをきっかけに、いわゆるAIカバーというものをまとめて聴いてみて思った。

 AIはついに歌を手に入れた、と。

 音符を拾って音を出しているだけではない。これは確かに歌っている。
 人間とほとんど遜色ないほどに。
 ブラインドテストをしたら、多くの人は人間とAIの区別がつかないのではないか。
 わずかに発音に不自然なところが残っているものの、ほとんど人間と変わらない。
 むしろ人間より上手い。
 ただ上手いだけではない。ブレスを入れたり、エッジを効かせたりしてくる。
 どこまで制作者の指示(あるいは意図)なのかは分からないのだけど、AIは自ら学習して身につけていっているのかもしれない。
 アップされた動画の日付を見ると、ほとんどがこの1ヶ月以内だ。この1ヶ月の間にAIカバー革命といったものが起きているようだ。
 1年前の古いAIカバーとは明らかに一線を画している。

 驚くというかなんというか、もはや当たり前のものとして受け入れざるを得ないところまで来ている。
 AI画像から始まって、動画になり、今度は歌まで歌うようになった。
 お笑いも小説も、ある部分では人間を越えている。
 写真作品や絵画の分野にもAIは確実に侵食してきているし、この調子でいくと数年以内にはあらゆる分野にAIは進出してくることになるだろう。
 一昔前のSF的未来予想よりもその速度は速い。

 今回紹介するAIカバーを聴いた人は何を思うだろう。
 個人的にはもはや一つのジャンルとしての域を超えているように感じる。
 遠くない将来、AIは一つの、あるいは一人のアーティストとしての地位を確立することになる。
 もちろん、AIを使っているのは人間だから、人間が作っているには違いないのだけど、おそらくこの先、AIは勝手にやりだすはずだ。
 それが幸せなことかどうかは今はまだ分からない。
 わあ、すごいなと思っていられる今はまだ幸せな時代だったと後になって振り返ることになるだろうか。


【カバー】僕が僕であるために【軽音楽部】【ロック AI Cover】 / AI songs

 もちろんある程度音楽の知識がないと作れないのだろうけど、それがなくてもジェネレーター・ソフトを使えばそれなりのAIカバー曲が作れるようだ。
 ただ、アレンジに関してはやはり楽器などの知識も必要ということになる。
 それにしても、このクオリティーには驚かされる。


OH MY LITTLE GIRL / 尾崎豊 -GIRLS Metal band REMIX-|Neo Soul J-POP cover / Neo Soul J-POP

 このように大胆なアレンジもできる。
 YouTubeの設定で1.15倍とか0.9倍とかにして、自分好みの速度で聴くというのも楽しみ方の一つだ。


楓-スピッツ【ロック AI cover】 / 邦楽ロッカー

 ここへきてスピッツが再評価されている。
 現在公開中の映画『楓』もそのきっかけとなったのかもしれないけど、たぶん時代の気分としてスピッツはハマったのではないか。
 リアルタイムで聴いていた頃は、なんとなく軟弱な感じがいていたけど、実際は芯が通っていて、優しくもあり強くもある。
 あらためて草野マサムネという才能に陽が当たったのはよいことだと思う。


Hello, Again 〜昔からある場所〜-My Little Lover【パンク AI cover】 / 邦楽ロッカー

 過去の名曲がAIカバーで蘇るのは嬉しい。
 どんな形であれ、名曲は歌い継がれていくべきだと思うし、聴き継がれていってほしいと願う。
 令和を生きる若い世代にも昭和、平成の名曲は響くのではないだろうか。


【かなりマジメに】There will be love there -愛のある場所- / the brilliant green (Female Vocal POP PUNK AI Cover) / Ryusei AI Music

 the brilliant greenはオリジナルがすでにカッコイイし、今聴いても古びてないと思う。
 今はあんなバンドがいなくなってしまった気がする。


もしもサザンオールスターズ『TSUNAMI』を乃木坂風のアレンジにすると J POP idol style cover / If music

 今出ているAIカバーをたくさん聴いたけど、男歌のバラードをアイドル女子グループが歌うのが一番相性がいいと思った。
 アイドルグループの曲はまったく聴かないのだけど、この乃木坂風AIカバーはすごく好きだ。
 コメントを読むと、かなり乃木坂の再現度は高いようだ。
 たくさんあるチャンネルの中でこのIf musicさんは特にレベルが高いように思う。


もしも乃木坂46がサザンの『真夏の果実』を歌ったら?【坂道風アレンジ】 / 坂道ノ音 If Selection

 別チャンネルのサザン×乃木坂風のAIカバー。
 これもなかなかいい。


【荒井由実】卒業写真|存在しないAIアイドル LIVE / 存在しないAIアイドル

 こんなふうにライブ風にもアレンジできる。
 アイドルグループとAIカバーの相性がいいのは、複数人のソロ・パートと合唱パートの両方が聴けるからというのがある。
 このやり方を応用すれば、いろいろな組み合わせで歌わせることができる。


『天体観測 – BUMP OF CHICKEN』女子高生バンドが歌ってみた / J-POPカバー女子高生バンド 放課後ジュラシック

 当然ながら選曲も大事だ。
 知っている曲じゃないと楽しめないし、オリジナルが好きでなければAIカバーもそうだ。
 オリジナルとあまり変わらないものも面白くない。
 男性ボーカルの曲を女性ボーカルでAIカバーするパターンが一番合ってるように思う。


キセキ ー GReeeeN|Japanese Girls Metal Band|邦楽カバー, AIアレンジ / FUJI SOUNDS | J-music AI覚醒

 このFUJI SOUNDSさんもレベルが高い。
 他とはアレンジの方向性が少し違っていて、ボーカルをより人間らしくアレンジしている。
 ここまでくると、本当に人間が歌っているとしか思えない。何の情報も与えずに、いい新人がいるんですよ、ちょっと聴いてみてくださいと音楽関係者に音だけ聴かせたらすごい新人を見つけたと喜ぶんじゃないか。


3月9日 ー レミオロメン|Japanese Girls Rock Band|邦楽カバー, AIアレンジ / FUJI SOUNDS | J-music AI覚醒

 これもFUJI SOUNDSさんの作品。
 そう、AIカバーはすでに作品だ。誰も真似できないものを作れば作品になり、作家となる。

 レミオロメンというと代表曲は『粉雪』だけど、個人的にはこの『3月9日』の方が好きだ。


もしもスピッツ『空も飛べるはず』を乃木坂風にアレンジすると J POP idol style cover / If music

 いろいろ聴いて少し疲れたら、またスピッツ×乃木坂風に戻りたくなる。
 とても心が安らぐ。一日の終わりに聴くといいかもしれない。


もしも槇原敬之『もう恋なんてしない』を乃木坂風にアレンジしたら J POP idol style cover / If music

 なんだろう、聴いていたらふいに泣けてきた。
 なんだか分からないけど、心の奥の琴線に触れる成分が含まれているらしい。
 人の感情など、所詮は脳の電気信号に過ぎないといえばそうなのかもしれない。
 人間ってなんだろうとちょっと考えてしまった。


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