ただ待っている

 春を待つように、ただ待っている。
 何を待っているのか、自分でも分かっていない。
 人なのか、時なのか、何かの実現なのか。
 あるいは死の訪れかもしれない。

 とっくに待ちくたびれている。
 それでも待つことをやめることはできないのは、ただ待つしかないことを知っているから。
 一生待ちぼうけを食ったとしても、待つことが間違いだったとは思わない。
 待つことは人生の一部で、待つことが人生そのものかもしれない。

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