平針へ行く=免許の書き換え

 愛知県民に、平針へ行くとか、平針に行ってきたというと、たいてい運転免許の書き換えのことだと分かってもらえる。
 だいたい、平針(ひらばり)なんて、それ以外で行く用事はまずない。
 あるとすれば、農業センターへしだれ梅を見に行くくらいだ。
 世代にもよるのか、名古屋だけなのか、免許の”更新”ではなく”書き換え”という。どこの地方でもそうなんだろうか。
 別に書き換えるわけじゃないんだけどなと思うのだけど。

 現状の私はペーパードライバーなので当然ながら優良ドライバーのゴール免許だ。
 なので5年に一度ということになるのだけど、一番驚いたのが10年前だった。
 それまで純然たるお役所仕事だったのが、何を思ったのか突然民間企業のように皆の愛想が良くなった。
 郵便局が民営化されたときよりも劇的な変化で、あれはびっくりしたというか、むしろ戸惑った。
 何か思いきった方針転換をしたのだろう。

 5年ぶりということで、今回大きな変更点が2つあった。
 一つは新社屋というのか、建物が新しくなったことだ。
 旧建物は昭和感丸出しで、あれはあれでよかったのだけど、新しい建物はとても近代的なオシャレビルのようだった。
 中央が吹き抜けになっていて、東京ミッドタウンみたいだと思う(ちょっと大げさ)。
 もう一つは、去年2024年から完全予約制になったことだ(高齢ドライバーを除く)。
 ネット、もしくは電話で事前に予約をしなければいけなくなった。
 受付をスムーズにするためらしいのだけど、15分刻みなので、けっこうプレッシャーがある。
 今回も自転車で行ったら道を間違えて、時間ギリギリに滑り込むことになってかなり焦った。
 遅れても空きがあれば受け付けてもらえるそうなのだけど、混雑時だと遅刻は致命傷になりかねない。

 個人的に一番の懸念は視力検査だった。
 メガネを作ったのが5年前で、度を強くすると手元が見づらくなるので、あえて弱めにしたので、通るかどうか不安だった。
 まあなんとかなるだろうと臨んだところ、最初に指されたものがまったく見えなくて焦る。
 思っていた以上に見えない。
 2つ目、3つ目も見えず、これが見えないと通りませんよ! 頑張って! と係のお姉さんに言われてしまった。
 視力検査で応援されたのは初めてだ。
 普段使いとは別に強めに作ったものも持っていっていて、それに変えてなんとか合格できたのだった。
 それにしてもギリギリで危なかった。
 5年後は更に視力も落ちてそうだし、免許更新用のメガネを作らないといけないかもしれない。

 全体的に流れ作業になっていて、最初の受付の場所さえ分かれば(それが意外と分かりづらい)、あとは指示されるままに進んでいけばいいようになっている。
 講習の30分を入れて1時間くらいだった。
 昔は半日仕事だったから、あの頃の比べるとずいぶん効率がよくなったと感じる。
 記入するのも氏名、生年月日、当日の日付と、チェック項目のチェックだけで、住所なども書かなくてよくなっていた(これは前回もそうだったかもしれない)。
 県によってはオンライン化されてるところもあるようだし、更なる効率化の余地はありそうだ。
 また5年後をちょっとだけ楽しみにしたい。


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