言われたのが自分なら

 誰かにちょっと悪く言われただけでもヘコむのに、大勢の人間から心ない非難を浴びたら、普通の感覚なら耐えがたい。
 それに耐えられるとしたら、強いからではなく鈍いからだ。
 まともな神経ではない。もっと言えば異常だ。
 そんな人間にはなりたくない。

 一人の小さな声もたくさん集まれば大声になる。
 自分の批判が罵詈雑言の大合唱になることもあるということだ。
 声を上げることは間違いではない。
 ただしそれは、社会とか国とかを良くするためにすることであって、個人を責めるためにやることではない。
 愛情のない批判は言葉の暴力でしかない。

 腹が立つことや何か言いってやらないと気が済まないことはある。
 でも、一回立ち止まって想像してみる必要がある。
 その言葉を自分が誰かから浴びせられたらどう思うだろうと。
 少なくともいったんは飲み込んで、できれば一日くらいは寝かせた方がいい。明日には忘れてるようなことなら言わなくてもストレスにはならない。
 とにかく平和に過ごすことが一番だと、あらためて自分に言い聞かせた方がいい。
 もちろんこれは自戒の言葉でもある。


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