昨日7月7日、東京都知事選が行われて、結果は大方の予想通り、小池百合子(敬称略以下同様)が当選した。
やっぱり日本は変わらないのかとがっかりもしたけど、その兆しは見えたともいえる結果だった。
マスコミは小池百合子圧勝と伝えているけど、本当にそうだろうか?
2020年の前回は366万票で得票率59.7%だったのが、今回は291万票の得票率42.8%と大きく下がっている。
獲得票数だけいっても、小池百合子 2,918,015に対し、石丸伸二 1,658,363 蓮舫 1,283,262と、石丸伸二と蓮舫を足した数に小池百合子は負けているのだ。
更に言えば、291万票のうちの半分くらいは自民、公明などの組織票だから、実質的な支持率でいえば、小池百合子は石丸伸二に負けているということになる。
これが民意でなければ何だというのか?
年代別に見ると、10代から30代までは石丸伸二が1位になっている。
これは未来に対する希望と見ていいんじゃないか。
若い世代の方が目が開いている。
言い方を変えれば、石丸伸二は年寄り連中に刺さらなかったということだ。
ネットやテレビで石丸伸二の言動を見ると、鋭くて賢くて爽快である一方、危うさも感じる。
そんなに人を追い込んじゃダメだと思う。
優秀なのは分かるし、周りの人間が馬鹿に見えるかもしれないけど、人は誰しも自分ほど賢くも有能でもないと自分に言い聞かせないといけない。
石丸伸二という人間は大きな組織の長には向かない気がする。下の人間はああいう人には付いていけないし、神輿を担ごうとも思わない。
いいボスに出会って自分はナンバー2に下がることができれば、日本を動かす大きな力になれるかもしれない。
タイプとしては、土方歳三とか、直江兼続みたいなポジションがよさそうだ。
マスコミはあまり大きく取り上げていないけど、都議の補選は8議席のうち自民は5議席から2議席に減らしている。2勝6敗は惨敗だ。
ここにもしっかり民意が表れている。
今回の都知事選の投票率60.62%はまあまあ高い方ではあるけど、40%近くは興味がないか放棄しているということだから、ちょっと寂しい感じもする。
まあ、市民が政治に関心を持ちすぎるというのもある意味では問題で、これくらいが正常というか無難なんだろう。
これ以上投票率が高くなるということは、差し迫った危機意識があって現状を変えないとどうしようもないような状況を意味するから。
遠くない将来、衆議院選挙も行われる。
誰に投票しても変わらないという考えは正しくない。
投票というのは意思表示であって、それは数字として確実に表に出てくる。
今回の都知事選は862万3,242人が投票した(有効投票数)。
このうち小池百合子に投票した291万8,015人を除く570万5,227人は、現職の小池百合子に対してNOと言った人たちという言い方ができる。
これは単なる意思というだけでなく、わざわざ投票に行った人たちの数ということで重みがある。
選挙権というのは、誰かに投票する権利であると同時に、誰かに対してNOという意思表示をすることでもある。
その権利を行使することは決して無駄ではないと思うけどどうだろう?
投票は確かに面倒だ。時間もかかる。
でも、実際に自分で足を運んで手書きで投票用紙に記入するからこそ価値があると言える。
ネットで簡単に投票できるようになってしまったら選挙の意味は大きく違ってくる。
ちなみに、私は小池百合子が好きでも嫌いでもない。ただ、信用していないだけだ。
蓮舫は問題外。
石丸伸二は都知事選に出てくるまで知らなかったし、ファンというわけでもない。
個人的にちょっと気になっていたドクター・中松は23,825票で11位だった。まだまだお元気そうで。
最下位の上樂宗之の211票は笑っていいのかどうかよく分からない。
候補者の乱立とか、ポスター問題とか、いろいろあった今回の都知事選けど、選挙というのは古代ギリシャの時代から参加型のイベントであり、一種の娯楽でもあるから、あれはあれでありなんじゃないなと個人的には思う。
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